こんにちは、安田雄輝です。
この畑づくりの挑戦は、ただの家庭菜園ではありません。
きっかけは、以前行っていた子ども向けの料理教室でした。
料理教室を通じて見えた「足りない何か」
僕は料理が得意なわけではないけれど、子どもたちに「食」の大切さを伝えたくて、料理教室を立ち上げました。でも続けていくうちに、ふと思ったんです。
「この食材は、どうやって育って、ここにあるんだろう?」
料理の技術だけでなく、その食材が育つまでの物語を知ることで、子どもたちの“食”への理解はもっと深くなる。そう考えるようになり、一度料理教室をストップして、畑づくりに専念することにしました。

まずは、野菜一つを真剣に育てるところから
時間はかかるかもしれない。だけど、自分の手で土に触れ、野菜を育ててみる。
そこで得た気づきや大変さを、自分の言葉で子どもたちに伝えられるようになりたい。
そして、いつかまた料理教室を再開する時には、本当の意味での“食育”ができるようになっていたい。
そんな想いが、この畑の始まりでした。
耕作放棄地との出会い
この畑は、以前働いていた農園でお世話になっていた本橋さんという農家さんに紹介していただいた場所です。
耕作放棄地とはいえ、土地の持ち主の方が草刈りだけは続けていたため、初めて見た時は「意外ときれいに保たれているな」と感じました。

当初は、一人で畑を広げすぎると管理が行き届かなくなるという不安があり、すぐには始めませんでした。
ですが、農園で一緒に働いていた副社長の村山さんと共同でやっていく話が決まり、本格的にこの耕作放棄地を再生させることになりました。
この土地は高台にあって水利も近く、水はけも比較的良好。
「ちゃんと取り組めば、必ず畑として蘇らせることができる」と判断しました。

人とのつながりが畑を支える
畑の初回耕耘は、本橋さんにトラクターでやって頂きました。
すべてを自分で準備するのは現実的に難しいですが、こういった「人とのつながり」が畑づくりには不可欠だと実感しました。
たとえば、本橋さんの土地に僕たちの牛糞堆肥を置かせてもらい、本橋さんもそれを自由に使える。
お金を介さず、持ちつ持たれつの関係で成り立つ。
そんなやり取りこそ、これからの農ある暮らしの理想形だと思っています。

農薬も化成肥料も使わずに、育ててみたい
耕作放棄地の再生とは別に、僕はもともと自分でも一つ畑をやっています。
その畑では、化成肥料は一切使わず、有機肥料だけで野菜を育ててきました。
農薬についても、有機JASの基準に沿ったものだけを、必要最低限にとどめています。
なぜそんな栽培方法にこだわっているのかというと——
科学的な根拠ははっきりしていないのですが、
「普段は野菜を食べない子どもが、有機や無農薬の野菜なら食べた」
……そんな不思議な話を何度か耳にしたからです。
一体なにが違うのか?
味なのか、香りなのか、それとも栄養? 作り手の想い?
その理由を、自分の手で確かめてみたくなったんです。
だからこそ、時間がかかっても、草が多くても、
自然と向き合いながら、野菜を育てていきたい。
耕作放棄地を再生するにあたっても、
この想いと方針は変わらず、同じ気持ちで野菜づくりに取り組んでいます。
この挑戦を、誰かと一緒に
僕はこの畑を、単なる「野菜づくりの場所」にはしたくありません。
子どもと一緒に土に触れたい家族や、農ある暮らしに関心のある人と一緒に育てていく場所にしたいと思っています。
まだ何もなかったこの土地が、少しずつ畑として形になっていく様子を、
このブログを通じて発信していきます。
この挑戦を見守っていただけたら、そしていつか一緒に畑に立てたら、とても嬉しいです。
