ピアノレッスンの録音・録画はしていい?メリットとYouTube公開で確認したいこと

皆さんこんにちは、安田雄輝です。
今回は、Threadsで話題になっていた「ピアノ教室のレッスンを録音・録画することは良いのか」というテーマについて書いていきます。

結論から言うと、録音・録画の可否は、教室の方針や先生の考え方、そして何のために使うのかによって変わります。

昔は、レッスン中の録音・録画は控えるものと考えられることも多かったかもしれません。ただ今は、復習用として認める教室もあれば、SNSやYouTubeへの公開まで認めている教室もあります。

実際に、教室自体がレッスン動画を撮影し、自ら発信しているケースもあります。だからこそ、録音・録画を一律に良い・悪いと決めることはできないと思います。

私はレッスン動画を撮影してきた理由

私は30歳から野口幸太ピアノ教室に通い始め、2020年1月から自分のYouTubeにレッスン動画を自分の成長記録として投稿してきました。チャンネルはこちら

最初に動画を残し始めた理由は、自宅で復習するためでした。

ある時、先生から「YouTube公開しちゃえば?」という一言がきっかけで、今の個人チャンネルが出来上がった訳なのですが。

毎回細かく見返していたわけではありません。ただ、「先生から何と言われていたか」「お手本はどう弾いていたか」「あの時はどのように説明されていたか」を確認したいときに、記録が残っていることは役立ちました。

今も撮影を続けている大きな理由は、YouTubeでレッスン動画を公開しているからです。公開することで途中で投げ出しにくくなり、時間がかかっても最後まで形にして残したいという気持ちが、練習を続ける力になった部分もあります。

ただ、私はYouTubeをやっていなければ、自分のレッスン撮影をしていなかったと思います。

撮影には準備やデータ管理の手間もかかりますし、録画がなくても普段のレッスンや練習で特に困ることはありません。宿題や次回までに取り組む内容はテキストに書かれていますし、レッスンの後半で次の課題も整理してもらえるためです。

そのうえで、録音・録画が役立つ場面はあります。

  • 先生から受けた説明や注意を、必要になったときに確認できる
  • 先生のお手本の演奏を、後から見返したり聴き直したりできる
  • 練習中に疑問が出たとき、レッスン当日のやり取りに戻れる
  • 数か月後、数年後に見返したとき、その時の課題や成長を振り返れる

必要なときに確認できる記録としては、録音・録画は便利な方法ではあります。

撮影の許可と、SNS・YouTubeへの公開許可は別の話

ここは分けて考える必要があります。

レッスン料金は、基本的には先生からレッスンを受けるための料金です。録音・録画、ましてやインターネット上での公開まで含まれているとは限りません。

録画する側にとっては復習のための記録でも、先生側からすれば、自分の声、演奏、指導内容、レッスン中のやり取りが残ることになります。先生によっては、撮影されていることで話しにくくなったり、指導に集中しにくくなったりすることもあると思います。

そのため、録音・録画を希望する場合は、最初に目的を伝えたうえで、先生や教室の方針を確認することが必要ですし、個々の教室の方針を尊重する事も大事だと思います。

例えば、「自宅で復習したいので、自分が弾いている部分だけ動画で撮影してもいいですか」と聞けば、先生側も判断しやすくなります。

また、「撮影してよい」と言われたことと、「YouTubeやSNSに公開してよい」と言われたことは同じではありません。

復習用として自分だけが確認する録音・録画と、不特定多数が見られるインターネット上への公開では、影響の大きさが違います。公開する場合は、公開範囲、編集内容、先生の顔や声を出すかどうかも含めて、改めて確認した方がよいと思います。

(シンプルにカメラ嫌いな人も居ますし、ちなみに私自身も本当はカメラ映るの好きでは無いです。)

生徒が公開する場合は、教室・先生への確認が必要

SNSやYouTubeに投稿する場合は、復習用の記録以上に慎重な確認が必要です。

公開された動画は、保存や転載をされる可能性があります。後から削除したとしても、すべてを回収できるとは限りません。また、動画の一部だけが切り取られ、元の文脈とは違う形で見られる可能性もあります。

先生の声や姿、指導内容を公開するのであれば、そうした環境に出ることまで了承しているのかを、後のトラブル防止のためにも教室側に確認する方が良いと思います。

さらに、他の生徒や保護者が映り込む可能性、教室の場所が分かる情報、会話の内容などにも注意が必要です。

ピアノ演奏の著作権とContent IDについて

レッスン中のピアノ演奏をYouTubeに投稿すること自体は、必要以上に難しく考えすぎなくてもよいと思います。

YouTubeなどの動画投稿サービスの多くは、JASRACと利用許諾契約を結んでいます。そのため、JASRACの管理範囲にある楽曲を自分で演奏して投稿する場合は、アップロードする人が曲ごとに個別手続きをしなくてよいケースがあります。詳しくはJASRAC公式「YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用」を確認してください。

アップロードされた動画は、YouTubeのContent IDによって自動的に照合されます。Content IDは、著作権者が登録した音声・映像のデータベースをもとに、一致するコンテンツを検出する仕組みです。

一致が見つかると、権利者側の設定に応じて、動画がブロックされる、広告が表示される、視聴データが追跡されるなどの対応が行われます。権利者との収益分配も自動的に行われます。

そのため、動画にContent IDの申し立てが付いた場合は、すぐに削除が必要だと決めつけるのではなく、YouTube Studioで表示される制限内容を確認する方がよいと思います。

そして、特に気をつけたいのは演奏そのものだけでなく、動画に何が映り込むかです。

  • 市販の楽譜や教材が、読める状態で映っていないか
  • 他の生徒、保護者、教室内の個人情報が映っていないか
  • カットが必要な会話がないか

私はレッスン動画をYouTubeに投稿する場合、楽譜の内容が読める形で映らないように配慮しています。

楽譜や教材を画像として公開する場合は、楽曲の演奏とは別に、発行元などへの確認が必要になることがあります。

教室や先生が、生徒個人のYouTubeチャンネルに公開された動画について、権利処理や投稿後の管理、コメント対応まで一律に責任を負うことは現実的ではありません。投稿者自身の責任において、編集内容や公開範囲を適切に管理する必要があります。

教室側は、あらかじめルールを決めておくとよい

ピアノ教室側としては、録音・録画についてのルールをあらかじめ決めておくと、毎回その場で迷わずに済みます。

例えば、次のような点を整理しておくと分かりやすいです。

  • 復習用の音声録音を認めるか
  • 動画・写真の撮影を認めるか
  • 先生の顔、声、演奏、指導内容を記録してよいか
  • 生徒本人のみが映る撮影なら認めるか
  • YouTubeやSNSへの公開を認めるか
  • 公開前に教室・講師側の確認を必要とするか
  • 他の生徒、保護者、楽譜、教材の映り込みをどう扱うか
  • 投稿者が編集、公開範囲、投稿後の管理を担うことを確認するか

全てを禁止する必要も、全てを許可する必要もありません。

例えば、復習用の録音だけは可にする、動画は生徒本人が映る範囲だけ可にする、SNSやYouTubeへの公開は個別確認にするなど、教室に合ったルールを作ればよいと思います。

公開が、教室にとってプラスになる場合もある

レッスン動画の公開が悪いことばかりだとは思っていません。

私は実際にピアノレッスンの様子をYouTubeに公開してきましたが、それをきっかけに野口幸太ピアノ教室を知り、実際に教室を訪れた生徒さんもいます。

ホームページの文章や写真だけでは分からない、先生の話し方、レッスンの雰囲気、生徒との向き合い方が伝わるからだと思います。

教室を探している人にとっても、体験レッスンを受ける前に先生や教室の雰囲気を知れることは安心材料になります。

録音・録画したものを常識的に扱い、教室や先生にとっても良い形で発信できるなら、レッスン動画は教室の信頼づくりや生徒募集につながる可能性があります。

まとめ

ピアノレッスンの録音・録画は、毎回必ず必要なものではありません。ただ、先生のお手本や説明を後から確認したいときには、役立つ場合があります。

私自身もレッスンを撮影し、YouTubeに公開してきたことで、自分の成長を記録できましたし、教室を知ってもらうきっかけにもなりました。

ただし、撮影できることを当たり前だと思わないこと、復習用の記録とSNS・YouTubeへの公開を分けて考えること、先生や教室の方針を尊重することは大切です。

生徒側も先生側も、目的と公開範囲を最初にすり合わせたうえで、必要に応じて録音・録画を活用していけたらよいのではないでしょうか。

先生用|録音・録画 説明チェックシート

生徒・保護者から、レッスンの録音・録画やSNS・YouTubeへの公開について相談を受けたとき、撮影の可否だけをその場で判断すると、確認漏れが起きることがあります。

そこで、先生が生徒の前で上から順に説明・確認できるチェックシートを作成しました。

録音・動画・写真のどこまでを認めるか、先生の声や顔を記録してよいか、公開範囲をどうするか、投稿者側が担う管理の範囲などを整理しています。

教室ごとの方針に合わせて、必要な項目を確認しながらご利用ください。