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初心者必見!家庭菜園で無農薬ニンジン栽培に挑戦した記録

家庭菜園で新鮮で美味しい野菜を自分で育てる喜びは格別です。特に自家栽培の野菜は安心して食べられるうえに、農作業の手間と苦労を実感できます。この記事では、私が初めて挑戦した自然栽培のニンジン栽培の記録を写真とともにお届けします。

ニンジン栽培に必要な準備

種の選び方と購入方法

ニンジンの種はホームセンターやインターネットで簡単に購入できます。私は「べによし五寸」という品種を選びました。選ぶ際には、コート種子になっているものを選ぶと種まきが楽になるのでおすすめです。コート種子でないものは、種の粒が小さいため、本当に撒きにくいです。

土壌の準備

ニンジンは深く耕した土壌を好みます。私が今回種まきのために準備したのは「菌ちゃん畝」という特別な畝です。菌ちゃん農法とは、畑の土に木の枝やもみがら、落ち葉などを混ぜて高畝を作り、糸状菌などの土壌微生物を活用した栽培方法です。詳しくは「菌ちゃん農法」で調べてみてください。

なぜ私が菌ちゃん農法で今回栽培したかというと、以前働いていた農園で試験栽培をした際に、個人でも菌ちゃん畝を作ってみたくなったからです。菌ちゃん畝が使えるようになるには、作ってから数ヶ月かかります。ちょうどニンジン栽培に適した時期だったため、今回の無農薬ニンジンを菌ちゃん畝で作ることにしました。

使用した道具

  • ジョウロ
  • 黒マルチ
  • 有機ぼかし肥料

これらの道具を揃えておくと、スムーズに作業が進みます。

最適な栽培時期と気候条件

今回種を撒いた「べによし五寸」は、3月〜4月、7月〜8月、11月が種まきに適しています。私は3月4日に種まきをしました。ニンジンが発芽するためには8度以上の温度が必要ですが、温度が低いほど発芽までの日数がかかります。発芽の最適な温度は15度〜25度なので、気温を見ながら種まきを行います。

種まき

溝のイメージ

種まきの手順

種まきの方法は色々ありますが、まず3月は寒いため、菌ちゃん畝を作るために使用していた黒マルチをそのまま使いました。黒マルチを使うことで地温が上がり、発芽しやすくなります。除草作業の手間も省けるので、黒マルチはおすすめです。

私は2粒まきしました。棒で深さ1cmほどの溝をつけ、大体4cmほど間隔を空けてまきました。ニンジンは発芽に日光が必要なので、覆土は薄く1cmないくらいの厚みにしました。種をまいたら必ず鎮圧を行います。鎮圧をしないと土に隙間ができて種が水分を吸収できず、発芽が安定しません。鎮圧は発芽率を向上させるために非常に重要な作業です。

ニンジンの種は水分を吸収する力が弱いので、種まきをしたあとは発芽まで水が切れないようにしてください。私はこまめに畝の状態をチェックして水やりをしていました。とにかく水切れには注意が必要です。翌日が雨の予報の日に種まきをすると、水やりする手間が少し省けます。

発芽の様子

3月3日に種まきをした後、3月27日にはこのように小さな芽がたくさん出てきました。

成長の記録

成長過程を写真で記録しました。以下はその一部です。

間引き

ニンジンが発芽した後、一定の間隔を保つために間引きを行います。間引きは健康な苗が成長するために重要です。弱い苗や密集している箇所の苗を取り除くことで、残った苗が十分なスペースと栄養を得ることができます。今回のニンジン栽培では、成長に合わせて2回ほど間引きを行いました。間引きは回数ではなく、成長を見て必要な場所で行いました。

中耕

中耕は栽培期間中に2回行いました。中耕は土壌を耕して空気を含ませ、根の成長を促進します。また、中耕と同時に雑草も取り除きます。

追肥

追肥は中耕のタイミングで有機ぼかし肥料を施肥しました。私は化成肥料を使わない方法で栽培しているため、有機ぼかし肥料を使用しましたが、今回は追肥の量が少なすぎたと思います。追肥は中耕した際に耕した溝に撒き、その後土を被せています。

土寄せ

ニンジンが成長するにつれて、土寄せを中耕のタイミングで行います。土寄せは根元に土を寄せる作業で、これを怠ると根の上部が地表に露出し、日光に当たって緑化(クロロフィルの生成)が進んでしまいます。緑化した部分は苦味が強くなり、食用には適さなくなります。ジャガイモの場合、有毒のソラニンが生成されますが、ニンジンの場合は葉緑素なので、緑化した部分を食べても大丈夫です。

収穫

収穫は6月下旬頃から行いました。少し土を掘り返してみて、根が十分に太くなり、葉の色が少し黄色くなってきたら収穫時期です。収穫が遅れると割れてしまう原因にもなるので、カレンダーなどに収穫予定時期を書いておくと、収穫のタイミングを把握しやすくなります。種の袋に書かれている収穫までの日数も参考にしましょう。種の袋は栽培が終わるまで保管しておくと良いです。

振り返りとまとめ

ニンジンの天ぷら

今回成功したポイントは、適切な種まきができたので発芽が良好だったことです。ニンジンは発芽さえ乗り切れば病害虫の被害にも遭いにくいと農園でも感じていたので、うまく収穫までできたのは良かったです。収穫したてのニンジンを天ぷらにすると本当に美味しく、油で揚げると甘くなります。葉っぱもほのかな苦みがあり、丸ごと安心して食べられるのは最高の贅沢です。

一方、うまくいかなかった点としては、菌ちゃん畝を作ってから数ヶ月寝かせていたため土が固くなってしまい、使う時に深く耕すべきでしたが、そのまま種まきをしてしまいました。その結果、形の変なニンジンが多くできてしまいました。ニンジン栽培では、土を深くまで良く耕すことがとても重要だと分かりました。

今後の挑戦と感想

今回の無農薬ニンジン栽培を通じて、成功と失敗の両方から多くを学びました。次回は、土壌の準備をより丁寧に行い、さらに良い結果を目指していきたいと思います。家庭菜園は、試行錯誤を繰り返しながら学んでいく過程そのものが楽しいものです。

皆さんもぜひ、無農薬の野菜栽培に挑戦してみてください。新鮮で美味しい野菜を自分で育てる喜びは格別です。ここまで読んで頂き、ありがとうございました。