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家庭菜園で春ジャガイモを育て、木更津市金田地域交流センターで販売した体験談

家庭菜園で春ジャガイモを育て、木更津市金田地域交流センターで販売した体験談をお届けします。私は、化成肥料を使わず、有機JAS規格の農薬のみを使用して、安全で美味しい野菜を一人で育てています。このブログでは、その栽培方法や初めての対面販売のエピソードを共有します。

将来的には、子供たちの食育に役立てるため、この経験を活かしたいと考えています。一人で野菜の栽培から販売までを実践し、学びながら進めています。皆さんにも、私の取り組みを応援していただければ幸いです。

栽培の準備

春ジャガイモの栽培を始める際、まずは種ジャガイモの選定からスタートします。

種ジャガイモの選び方

今回は、ホクホク感が特徴の男爵芋と、煮崩れしにくいメークインを選びました。どちらも人気のある品種で、家庭菜園初心者にもおすすめです。

適している料理

  • 男爵芋:マッシュポテト、フライドポテト、コロッケ、ポテトサラダ
  • メークイン:カレー、シチュー、肉じゃが、ポテトグラタン

使いたい料理に応じて品種を選びます。

畑の準備と土壌改良

植え付けの一ヶ月前に、畑の土を深く耕し、牛糞堆肥と米ぬかを混ぜ込みました。ジャガイモは弱酸性の土を好むので、苦土石灰や有機石灰は投入しませんでした。

栽培過程

植え付けする前に、日光の当たる暖かい場所で芽出しをしておくと成長も早くなり、悪い種芋の選別が出来ます。

植え付けの時期

ジャガイモは植え付けから収穫まで約100日かかります。収穫の時期が梅雨にかかると、芋が腐ったり収穫作業が難しくなるため、梅雨を避けるように植え付け時期を調整するのがおすすめです。

今年の春ジャガ栽培では、2月は雨が多かったものの、何とか2月27日に植え付けることができました。

植え付けの方法

  1. 種ジャガイモの準備:種ジャガイモは芽が3つ程度残るように切ります。切り口にはジャガイモシリカをつけて、腐敗や病気を防ぎます。
  2. 植え溝の準備: 深さ10cmほどの溝を作ります。
  3. 植え付け: 溝に種ジャガイモを30cm間隔で置き、ジャガイモシリカを種芋の上にかけます。さらに、種芋の間に有機ぼかしを一握り入れます。土を被せた後、ジャガイモシリカが余っていたら畝の上にかけます。

発芽から収穫までの成長過程

植え付けから約3週間で発芽します。3月頃はまだ寒いので、霜に当たって最初に出た芽が枯れてしまうことがありますが、後から新しい芽が出てくるため心配はいりません。

芽かき・土寄せ・追肥

芽が20cmほど成長したら、芽かき、追肥、土寄せを行います。芽かきにはいろいろな方法がありますが、一般的には2~3本の芽を残し、他の芽を摘み取ります。芽かきをすることで、大きなジャガイモの収穫を目指します。追肥は有機ぼかし肥料を株の周りに軽く撒きました。

水やり

ジャガイモは乾燥に強いため、水やりは発芽してからは降雨に任せました。

病害虫対策

葉が大きくなってくると、アブラムシやヨトウムシなどが発生することがあります。また、雨が多く降ると疫病が発生する可能性もあるため、早期発見と早めの防除が重要です。アブラムシにはアーリーセーフ、ヨトウムシにはSTゼンターリ、疫病予防にはサンボルドーを使用しました。

収穫のタイミングと方法

収穫は、6月11日に行いました。収穫の具体的な方法を説明します。

収穫のタイミング

ジャガイモの葉が黄色く枯れてきたら収穫のサインです。1株試し掘りをしてみて、収穫出来た芋のサイズで良ければ収穫しましょう。茎が完全に枯れる前に収穫します。

収穫の方法

  1. 晴天の日を選ぶ: 収穫は晴れた日に行うことで、ジャガイモが乾燥しやすいです。土が濡れている状態で収穫すると、傷からジャガイモが腐ってしまう原因になります。
  2. 茎を引き抜く: 地表に出たジャガイモの茎を手で引き抜きます。根元にスコップを入れ、慎重に掘り起こします。
  3. 土を払い落とす: 収穫したジャガイモの土を軽く払い落とし、日陰で乾燥させます。

保存方法

乾燥後は、風通しの良い冷暗所で保存します。適切な保存環境を保つことで、長期間新鮮な状態を維持できます。自宅で保存する場合は、段ボールに新聞紙を敷き、ジャガイモを個別に包むと長く保存できます。

販売の準備

木更津市金田地域交流センターのイベントスペースで販売することに決めました。地元の方々との交流の場として、最適な場所でした。

パッケージングと値付け

収穫したジャガイモを一袋100円で販売しました。もともと食育のために家庭菜園を始めたので、今回は資材代が回収できれば良いと思い、破格の値段で全て売ることにしました。子育て世代の方々も多く来ていたので、地域を応援したいという気持ちもありました。

販売当日の体験

結果から先に言うと、全て売り切ることができました。販売当日は、最初は好きな大きさのジャガイモを選ぶ方式で売っていましたが、全然売れませんでした。最初に来たお客さんから「袋に詰めて欲しい」という要望を受け、選ぶ方式から袋詰めする方式に変更したところ、一気に売れ始めました。陳列方法や売り方によって、商品の売れ行きが全然変わることを実感し、とても良い経験になりました。

中心空洞症

後日、販売した男爵芋に中心空洞症のジャガイモがあるとの報告をいただきました。中心空洞症とは、ジャガイモの内部に空洞ができる現象です。これは急激な成長により中心部に必要なでんぷん質が行き渡らないことが原因です。気温の急変や降水量、肥料の過剰供給などが影響するとされています。外見から完全に識別するのは難しく、センサーでも見逃すことがあります。この現象は品種によって差があり、男爵芋では起こりやすいのに対し、メークインでは発生が少ない傾向にあります。

この報告を受けてからは、販売時に「機械で高精度に選別されたジャガイモではない」ことを説明しながら販売しました。ほとんどの男爵芋は問題ありませんでしたが、野菜の販売の難しさを実感する貴重な経験となりました。非常に良い勉強になりました。

おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。この体験を通じて、野菜の栽培から販売までの一連のプロセスを学ぶことができました。食育を実践するためには、まず自分自身が野菜の栽培から販売までを一人で経験することが大切だと感じました。そうすることで、農家さんへの感謝の気持ちが本当に湧き、伝える言葉にも深みが出てくると思います。今は畑で小規模ですが、様々な野菜の栽培に挑戦しています。

皆さんの応援とご協力があってこそ、今回の販売が成功しました。これからも、より良い野菜を育てるために努力を続け、次回の販売機会にはさらに多くの方に満足していただけるよう努めます。どうぞ、これからも私の取り組みを応援してください。