皆様こんにちは、安田雄輝です。
今年は地植えでタマネギ苗を育てることを決意し、種から苗を育ててきました。ようやく、手塩にかけて育てたタマネギ苗を無事に定植する事ができたので、その報告をお届けします。
タマネギ苗が順調に育った喜び
タマネギの苗作りでは、私は地植えを選びました。一般的には育苗箱やセルトレイを使う方法が主流ですが、地植えの方が簡単で安定した苗作りができると考えています。その理由は、育苗箱やセルトレイでは土の量が限られ、土壌の状態を安定させるのが難しいためです。特にタマネギのように根をしっかりと張る作物では、十分な土壌量と根を広げるスペースが必要です。
地植えでは、広い面積で根が自由に伸びるだけでなく、土壌の水分や栄養バランスも自然に安定しやすいという利点があります。また、微生物の活動が活発になり、根の成長を助ける効果も期待できます。
ただし、初めての育苗では肥料の管理に苦労しました。私は化成肥料を一切使用せずに栽培しているため、葉の様子を観察しながら追肥のタイミングや内容を慎重に考えました。今回は、牛糞堆肥と鶏糞、ネイチャーエイドという液肥を組み合わせて管理する方法を選び、なんとか苗を育てることができました。
定植の準備と作業
タマネギの定植には、5条植えの黒マルチを使用しました。最初に購入した黒マルチは幅95cmのもので、これを使ってみたところ、高畝を作りたかったのですが、両サイドの幅が足りず、思うように畝を作ることができませんでした。最終的に岩谷マテリアルの幅135cmの黒マルチを見つけて購入しました。このおかげで、納得のいく畝を作ることができました。
土壌作りは定植の一ヶ月前から開始しました。牛糞堆肥、もみ殻、もみ殻燻炭、有機石灰、米ぬか、鶏糞を土に施し、しっかりと準備を整えました。この畑では、前作としてサツマイモの紅はるかを育てていました。サツマイモのツルや残渣については、すべて外に出し、畑に漉き込まないようにしました。理由として、サツマイモのツルは水分を多く含み、繊維が硬いため、分解が間に合わず、土壌環境に影響を与える可能性があるからです。
定植完了!これからの育成が楽しみ
こちらは晩生品種のタマネギ「ケルたま」の苗です。他にも、早生の「ソニック」や晩生の赤玉ねぎの苗を育てています。早生品種の定植は11月上旬から開始し、「ケルたま」は11月中旬から定植を始めました。この時期になると外の気温も冷え込み、霜が降りる季節です。特に早生のタマネギは霜に弱いため、不織布をかけて保護する予定です。
畑での野菜栽培はすべて一人で行っており、タマネギの植え付け作業は、まるで修行のようにひたすら植え続ける日々です。それでも、この苗が大きく成長し、美味しいタマネギとなって、金田地域交流センターで皆さまにお届けできる日を想像しながら作業に励んでいます。
今後の管理と期待
タマネギの定植作業が完了しても、放置しておけば無事に育つわけではありません。早速、ネキリムシが苗を齧って切断している箇所を一つ見つけました。こうした被害がある場合、苗の株元を掘ると黒っぽいイモムシが出てくることがあります。異常を早めに発見して対処することが大切で、収穫まで日々管理が欠かせません。
害虫の被害だけでなく、病気や霜の影響にも注意が必要です。野菜栽培は本当に手間がかかり、適当に作業していては、しっかりと育てることはできません。また、一生懸命取り組んでも、天候や気候の影響を受けてしまうこともあります。それでも、こうした作業を楽しみながら頑張れるのは、野菜作りそのものがやりがいのある喜びだからです。
早めにネキリムシを発見して対処した結果、苗の中心部分から新しい葉が無事に伸び始めました。
まとめ
今年の11月に植え付けたタマネギが収穫できるのは来年の5月から6月頃です。育苗期間も含めると、一つのタマネギを育てるのに半年以上もの時間がかかります。私の住んでいる木更津市には畑がたくさんありますが、耕作放棄地も多いのが現状です。畑で野菜を育てるには手間と時間がかかるため、特に若い世代には敬遠されがちです。しかし、このままでは日本の食料自給率はさらに低下し、将来的に自国で十分な食料を生産できなくなるリスクがあります。
私は、金田地域交流センターで野菜を販売するとき、あえて形の悪い野菜や輸送が面倒な葉付きのニンジン等を持ち込みます。これは、野菜がどのように育っているのかをそのまま見てもらい、農産物に対する理解を深めてもらうためです。「こんなに葉っぱが大きく育つんだ」「虫に食べられることもあるんだ」といった野菜の自然な姿を知ってもらうことで、規格外の野菜や形が不揃いな野菜にも寛容な消費者が増えることを願っています。そのため、できるだけお客様と直接会話をしながら販売するようにしています。
スーパーの棚に並ぶのは虫がついておらず、形が揃った完璧な野菜ばかりです。その背景には、規格外の野菜が出荷されず捨てられている現実があります。私はその状況に疑問を感じます。対面販売をしていると、規格外の野菜でも「欲しい」と言って購入してくださる方がいます。そうしたお客様の存在は、農産物の価値が形や見た目だけで決まるわけではないことを教えてくれます。
農業が抱える課題は多く、特に規格外野菜の扱いや収益性の問題は深刻です。それでも、農業を通じてしっかりと稼げる仕組みを作りたい。そのためには、農産物の価値を見直し、消費者の理解を深める活動が必要だと考えています。農業はただの仕事ではなく、命をつなぐ大切な役割を担っています。この思いを胸に、私はこれからも地道に野菜作りを続けていきたいと思います。
野菜の成長記録はInstagramにも投稿していますので、ぜひご覧ください。
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