大人になってから新しく何かを始めるのは、日々の生活との両立もあり、決して簡単ではありません。それでも、自分のペースで少しずつ取り組めば、確実に日常が変わっていく感覚があります。
私自身、30歳を過ぎてからピアノを始めました。もともとピアノは難しいものだと思っていましたし、簡単に弾けるようになるとは考えていませんでした。ただ、自分の好きな曲を弾けたらきっと楽しいだろうという気持ちでスタートしました。
この記事では、大人からピアノを始めた初心者の方に向けて、私の実体験から得た「楽しく続けるためのヒント」をご紹介します。
小さな目標を設定する
ピアノに限らず、どんなことでも最初は「できないこと」が多く見えます。私はYOASOBIの「群青」を弾きたくて無理を承知で先生に相談し、挑戦したことがあります。結果的にそのときは一度挫折しましたが、再挑戦して弾き切りました。
無理な挑戦を他にもやったりしていますが、無理な事を実際にやっているからこそ、最初は無理なく取り組める範囲から始めることで、達成感を得やすくなりますし、継続もしやすくなるだろうなと思っています。
- 「1ヶ月後に右手だけで1曲弾く」
- 「次のレッスンまでにイントロ部分を練習する」
- 「1日1回、鍵盤に触れる習慣をつける」
こうした小さなステップが積み重なることで、自信とやる気につながります。

練習の過程を記録しておく
ピアノの上達は、目に見えて急に変化するものではありません。だからこそ、進捗を記録しておくことがモチベーション維持に役立ちます。
私はYouTubeに練習動画をアップすることで、過去の自分と比べられるようになり、少しずつ前に進んでいる実感を持つことができました。
記録の方法は自由です。スマホで動画を撮る、アプリで練習時間を記録する、日記をつける——どれでも構いません。振り返ったときに「続けてきたな」と思える形が残っていれば、それで十分です。

好きになれる事を見つける
ピアノは趣味です。だからこそ、自分の好きな曲を弾くことを優先してもいいと思います。
私は昔からクラシックよりもポップスが好きで、いきなりポップス曲に挑戦したくなりました。もちろん、その曲が今の実力に合っていないこともあります。でも、「この曲が弾きたい」という気持ちがあるからこそ、練習に気持ちが向くのです。
先生と相談してアレンジを工夫してもらったり、難易度を落としてチャレンジしたりする方法もあります。さすがに私の様に無理な企画に挑戦するのはおすすめしません。(滅茶苦茶大変だから)
ただ補足しておくと、ずっと好きな事だけでピアノが上手くなる訳ではないと思います。真面目にピアノに向き合っていると、好きな事をやるために、基礎を積む選択を自分からする場面が出てくると思います。
練習を習慣にするための工夫
最初から「毎日30分練習する」といった大きな目標を立てると、かえって負担に感じてしまうこともあります。
私も最初は練習が続かず、何日も弾かない時期もありましたが、「まずは鍵盤に触るだけでもいい」と考えるようになってから、習慣化しやすくなりました。
特にYouTubeに133日間連続で練習動画を投稿していた頃には、自然と「毎日弾く」が生活の一部になっていました。

ピアノ仲間とのつながりを持つ
SNSを活用すれば、同じように大人からピアノを始めた方とつながることができます。私も、YouTubeやX(旧Twitter)などを通じて交流し、励まし合うことができました。
誰かと交流することで、「自分だけじゃない」と感じられますし、続けていくモチベーションにもつながります。

自分なりの楽しみ方を大切に
ピアノの楽しみ方に正解はありません。大人から始めたからこそ、自分の好きなように楽しむのが一番だと思います。
私は、「できないことが多い中で、できるようになっていくプロセス」に喜びを感じながら続けています。挫折もありましたし、遠回りしたこともたくさんあります。でも、その全部が、今の私のピアノ時間を豊かなものにしてくれました。
これからピアノを始める方や、続けることに悩んでいる方の参考になれば幸いです。