YouTubeチャンネルはこちら

消防のお茶汲み仕事

皆様こんにちは、安田雄輝です。

今回は「消防のお茶汲み仕事」について書いていきます。
時を遡ること平成の終わり頃の実話です。

「お茶汲み」という単語すら若い人には通じないかもしれませんので、
そもそも「お茶汲み」とは何なのか辞書で調べてみると。

1,茶を入れること
2,会社内で定期的に社員にお茶を入れる業務

来客にお茶を出す訳ではなく、自社の社員にお茶を出す事を言います。
ここで言う「社員」は消防では『先輩』のことを指します。

お茶飲みたいなら自分で入れたら良くない?なんで自分でやらないの

新人の仕事として本当に真面目に教えられる。けど、特に意味はないかな

消防のお茶汲み仕事

まず令和時代でも、絶対にどこかの消防ではやってます。
皆様が思っているよりも、公務員の世界は時の流れが遅いです。

新人はお茶汲み

先輩のお世話は新人の仕事です。なぜなら消防は階級社会なので、後輩が先輩の面倒を全部見ます。そう、先輩は「えらい」のです。だから、大切にお世話しなければなりません。

  • 具体的なお世話

食事の用意、寝具の用意、洗濯など

これがスムーズに出来ないと、使えないというレッテルが貼られて目をつけられます。

食事の用意

最初の配属先ではカップ麺を食べる先輩が多かったです。新人は「やかん」でお湯を沸かします。そして、先輩が来たらお湯を注ぎます。キッチンは狭いので、これは効率的と言える。

次に、先輩のマグカップを出して、水かお茶か聞いて用意します。職員の数だけマグカップがあります。そして、名前はマグカップの底にしか書いてない。つまり覚えるのです。

どれが誰のだよ!

最初は誰が誰のかわからないので、マグカップの底を見ますが、そもそも名前と顔が一致しない。
めちゃくちゃ非効率で、自分でやれと思ってました。これが新人のお茶汲みスタートです。

先輩の名前と顔を覚える練習という意見もあります。確かにそういうメリットもあります。
ただ、消防辞めて民間企業も行きましたが、仕事してれば名前と顔は普通に覚えますけどね?

先輩が食事を終えたら、机を拭いて次の人が食べられるようにします。文字で書いてると平和なんですが、カップ麺先輩、水お茶先輩、食べ終わり先輩が同時に来ます。

それを上手く優先順位つけてさばいていき、そして先輩が手伝ってくれたら、「変わります」とか「ありがとうございます」を言わないと、後で「〇〇さん、やってたぞ」とか言われる世界。

これが僕がやった消防のお茶汲み。後輩が入ると一気に楽になりますけどね。

民間企業のお茶汲み

民間企業2社経験したので、そこでのお茶汲み書いていきます。

在宅診療所

お茶汲み無し。自分の事は自分でやるのが当たり前でした。スタートアップという事もありましたが、全員自分の事は自分でやる気質でした。消防のお茶汲み話したら笑われた。

血液輸送の法人

偉い人だけお茶汲みする。ここは消防の世界と少し空気が似ていて、お茶汲み文化はかろうじて残ってました。でも、本当に少しだけです。消防みたいな全員とかはありませんでした。

個人的な予想

昔からある古い企業などは、お茶汲み文化あるのかなって感じです。スタートアップのベンチャー企業などは、そういう文化が無いのかなという気がしますね。皆さんはどうでしょうか。

公務員の世界は、本当に入れ替わりが少ないので、新しい価値観が入ってくるのに、相当な時間がかかると思います。良くも悪くも昔ながらの慣習が残りやすい。

お茶汲みが組織を滅ぼす?

消防でお茶汲みしていたときに、ある一定の年代の人は自分で食事の用意と片付けをしていました。それはちゃんと理由があるのですが、皆さん何だと思いますか?

何も出来ない人になった

人は面倒くさいことを、全部他人に任せると、本当に何も出来ない人になります。
自分でやることを忘れると、本来やらなきゃいけない仕事も出来なくなってしまうんです。

水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れていきます。楽をしようと思って、手を抜き始めると歯止めが効かないんです。そして、階級社会なので、誰も下から意見を言って変えられないのです。

自分の食事準備も人任せ、夜に寝る布団準備も人任せ、洗濯も人任せ、仕事の書類作るのも人任せ、現場活動も人任せ、ミスをしても責任は人任せ、もう全部人任せになってきます。

そういう上司の情けない姿を見て、自分達はそうなっては行けないと感じる世代が、僕の10個上くらいの年代からでしょうか。年齢が近い人は、基本的に食事のお世話は断って来ましたね。

文化や習慣が変わるのは、本当に時間がかかります。
でも、こういうお茶汲み経験とか、古い文化の残る組織を見たのは貴重な経験です。

新人に面倒を全て押し付けると、自分は楽できますが、組織としては壊れていきます。ある人は消防を皮肉交じりに「老健」と表現していました。言い得て妙な言葉だと現職は思うかもしれない。

というわけで、今回は以上となります。

ABOUT US
安田 雄輝
「YouTubeコンサル・動画制作」をしています。/※経歴:消防(救急救命士)➡在宅診療所➡献血供給事業団➡YouTubeクリエイター/大人からピアノを始めチャンネル登録者1000人/夢は子供がやりたい事を経験出来る場所を沢山つくること